学年別では小4生の受験者数が最も多く、次いで小5生・小3生となり、この3学年の受験者数は全体の約57%となっています。
中学受験に対する関心の高さが依然維持されていることと、“中学受験学習は小4生のカリキュラムから本格的にスタートする”ということが広く浸透してきたことがうかがえます。
一方で、小4生についてはこれからますますの奮起が求められます。
決して根負けすることなく粘り強く学習を続けることが、今後の浮上のカギとなります。
全国 | 愛媛県 | |
年長 | 5,252 | 93 |
小1 | 17,127 | 207 |
小2 | 21,844 | 249 |
小3 | 29,507 | 370 |
小4 | 30,029 | 362 |
小5 | 29,669 | 402 |
小6 | 23,264 | 330 |
計 | 156,692 | 2,013 |
▼学年別平均点('21年11月全国統一小学生テスト)
満点 | 全国平均 | 愛媛県 平均 |
愛媛県 -全国 |
|
小1 | 300 | 180.3 | 183.4 | +3.1 |
小2 | 300 | 174.6 | 176.5 | +1.9 |
小3 | 300 | 184.3 | 183.6 | -0.7 |
小4 | 500 | 284.6 | 277.2 | -7.4 |
小5 | 500 | 258.9 | 268.8 | +9.9 |
小6 | 500 | 308.5 | 322.2 | +13.7 |
※小1~3は2科, 小4~6は4科
中学受験学習への提言 「“便利さにかまけない”学習を!」
コロナ禍をきっかけに、家にいながら授業を受けられる「リモート授業」を導入する塾が増えました。従来の映像授業はあくまでも受け身であったのに対し、Zoomなどを使ったリモート授業はリアルタイムに双方向でのやり取りができるという点で非常に便利です。その一方で、授業の“空気感”を享受できないのが大きな弱点です。
この空気感はそれほど大きな意味を持たないように思われがちですが、同じ空間にいる他の生徒たちの反応や、担当講師の表情の細かな変化、それにその場の空気の小さな揺れなどは、全てが記憶の強化に結びつくものです。そこに「ライブ授業」の意味があります。
また、タブレットなどのデジタル端末の使い方にも注意が必要です。入試が紙ベースのものである以上、「書く」という動作は不可欠です。
手書きツールなどは確かにタブレットにも付随していますが、ディスプレイ上でペンを動かすことと、問題用紙にメモしたり解答用紙に答えを記入したりすることとは、やはり大きな違いがあります。さらに、これは算数においてより顕著ですが、文章題などの考え方は自ら図を描き、可視化する手順が必要です。
それには相応の訓練を積んでおかねばならず、タブレットに頼ることはできません。
小学校でも一人1台のタブレット端末を使用することになっていますが、少なくとも私立中学受験の学習においては、有効に活用することは時期尚早です。
どんなに時代が変化して、情報技術による利便性が向上したとしても、本当に必要なのは、そこで生み出された様々な情報ツールを「正しく使いこなす力」です。それがなければ、真の意味での利便性向上にはつながりません。いつの時代も、子どもたちは大人たちの想像を超えるスピードで新しいものに柔軟に適応していきます。
ですから、子どもたちに必要なのは「新しいものを操作する方法を覚える」ことではなく、どんなものでも「適切に使いこなすに足る思考力と想像力(それらを包括して「リテラシー」と呼びますが)を持つ」ことです。
私立中受験を志望する小学生を取り巻く環境は、年々目ざましく変化しています。情報技術の進歩により、従来の受験学習の常識が変わっていくその過渡期に私たちはいるのかもしれませんが、学習そのものの本質は変わらない。
私たち塾の役割は、中学受験という体験を通して、どんなものも適切に使いこなすに足るリテラシーを子どもたちに身につけさせることであり、学習の本質を正しく教え、伝えることであると思います。決して便利さだけに頼らない姿勢が、学習を進める上で不可欠なのです。
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